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カモメの散歩道は、鳥羽駅前交番の横からミキモト真珠島の駐車場付近まで設けられた長さ261mの温かみあふれるウッドデッキのプロムナードで、鳥羽駅周辺の観光施設を訪れる観光客はもとより地域住民にとっても、海を間近に感じられる開放的で爽やかな空間として親しまれています。 道沿いには植物やベンチが配され、ミキモト真珠島、坂手島など、鳥羽湾の景色を眺めながら、ゆっくりと散歩が楽しめます。
縦割り行政の枠組みを超えて、住民と話し合う会議「とばベクトル会議」
「カモメの散歩道」は、鳥羽市の中心市街地に隣接する「鳥羽港岩崎地区海岸高潮対策事業」(県事業)に伴う後背地の遊歩道整備計画(鳥羽駅前玄関口快適空間創造プロジェクト事業)の一環として整備され、それまで気軽に海に近付いて親しむ場所が不足していた鳥羽に、新しくミキモト真珠島、鳥羽湾、離島などが美しく見え、海を身近に感じられるスポットとして、ミキモト真珠島の協力も得て 2005年4月に完成しました。
この事業は、住民を交えて組織された委員会が「伊勢志摩空間快適性向上整備計画(ハード、ソフトのまちづくり計画書)」を作成し、「海」のある風景を最大限活かせるよう、鳥羽景観形成推進のための地元組織である「とばベクトル会議」(構成:商工事業者・観光事業者等10名、事務局は鳥羽商工会議所)が県土整備部景観づくり室、市都市計画課、専門家(ワークヴィジョンズ西村浩氏)を交えて基本設計、空間設計、施工管理を実施しました。(県事業・事業費3億3500万円)
とばベクトル会議は、行政に「もの申す」組織でなく、また、地域の調整の場でもなく、「自分たちのまちは、自分たちで考え、創り上げていく」という認識の上に立ち、行政と協働して活動を進めました。遊歩道完成までには、20回の検討会議を開催し、広く一般の方々にも計画作りに参加していただけるよう、市民ワークショップを開催しました。ワークショップでは、完成模型を用いたり現地に足場を組んでイメージを膨らましたり、工事に使用する材料の再確認・材料の色の決定など、住民が参画できる仕組みを取り入れました。完成後の維持管理・清掃についても官民で協議し、美しい景観を維持し、観光客も住民も気持ちよく過ごせるよう、定期的な清掃、管理を行政民間が役割分担し継続しています。
「カモメの散歩道」という愛称は、市民向けの一般公募で決定しており、2005年度グッドデザイン賞(建築・環境デザイン部門)、2007年度土木学会デザイン賞を受賞しています。
遊歩道完成から20年近くたちましたが、現在でも、観光客のアクセスルートとして、住民の散歩道として、海を見ながらベンチでくつろぐ憩いのスポットとなっています。近隣にはカフェやショップがたくさんあるので、スイーツやドリンクをテイクアウトしてカモメの散歩道で鳥羽の海を感じて見るのはいかがでしょうか。
【鳥羽駅周辺でテイクアウトドリンクのあるカフェ】
カモメベイテラス鳥羽 (Instagram)
Jubilee Tea & Bakes (Instagram)
カモメの散歩道 三重県鳥羽市鳥羽1丁目8