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2024.6.28
地元の海産物を活かし、地域活性化に取り組んでいる活動を紹介します。
国崎の歴史
国崎の歴史は古く、二千年以上も前から伊勢神宮に熨斗鰒(のしあわび)が献上されています。その歴史は、伊勢神宮を現在の場所に導いた倭姫命(やまとひめのみこと)がこの地を訪れた際、海女『おべん』から鰒(あわび)を差し出され、そのあまりの美味しさに感動。それ以来、天照大御神への御饌(みけ)として伊勢神宮に献上するように命じられたのが始まりとされます。
おべんさんは海女の元祖ともいわれ、今でも国崎では年初めの漁が始まる前に海女たちが『おべん』を祀る海士潜女神社を訪れ、一年の無事と大漁を祈願します。
国崎にある常福寺は曹洞宗のお寺です。安政の地震による津波で打ち上げられた石が津波の様子を記した記念碑として境内に設置してあります。また山号「宝剣山」の由来は下野の国の山法師「阿闍梨円成」が海水に身を浸して身を清めていたところ宝剣を見つけたことからで、「太平記」にその記述があります。安徳天皇が壇之浦の戦いで破れ、沈んだ宝剣が国崎に流れ着き都に奏進されたといわれています。
くざき鰒おべん企業組合
この歴史ある国崎町も高齢化と人口減少が課題となっていました。漁業者や宿泊産業関連事業者等が集まり、地域活性を目指し平成22年4月に「くざき鰒研究会おべん」が組織され、その後、平成25年7月に地域資源の加工と販売を積極的に行うため、任意団体から現在のくざき鰒おべん企業組合となりました。
くざき鰒おべん企業組合の代表を務めている奥田佐吉さんは、国崎地域の過疎化が進んでいくという危機感を抱き、地域が活性化するためには地元に若い人が働くことのできる組織が必要だとし、この組織を立ち上げ、最大の地域資源である「あわび」など国崎の海産物を商品化し、国崎町の「食の魅力」を発信するとともに、生産者の所得向上や町の発展のために尽力されています。
国崎ではお正月に七種類の海藻(わかめ、あおさ、黒海苔、めかぶ、赤もく、ひじき、あらめ)を床の間にそなえ、一家の主が無病息災を願い刻む「ナナクサタタキ」という習わしがあります。この「ナナクサタタキ」をヒントに考えられた「海の七草」(https://www.kuzakiawabi-oben.com/product)は、令和5年度文化庁の「伝説の100年フード部門~江戸時代から続く郷土の料理~」に選ばれました。
くざき鰒おべん企業組合 住所 三重県鳥羽市国崎町132番地の2 電話 0599-20-0013 / 080-1576-1052 URL https://www.kuzakiawabi-oben.com/ |
海士潜女神社(あまかづきめじんじゃ)
海士潜女神社は、海女の始祖と言われている『おべん』を海女御前と称し、潜女神として祀っています。海士潜女神社の御守には神様の御贄として熨斗あわびが収めてあります。大漁満足・水難厄除木札はこの地域に伝わる魔除けの印、ドーマンセーマンが描かれ、海女だけでなくダイビングや水泳など、海と水に関するあらゆることにご利益があり、身の危険から守ってくれるとされています。
海士潜女神社例大祭
倭姫命に鰒を献上したと伝えられる伝説の海女『おべん』を主祭神とする海士潜女神社では、伊勢神宮への献上を二千年以上受け継いできた国崎の祖先と、鰒をはじめとする豊富な魚介類を育んできた海へ感謝する祭典を行っています。毎年7月1日に行われる例大祭は伊勢神宮より楽師と舞姫が来町し、舞楽が奉納されます。
海女潜女神社 住所 三重県鳥羽市国崎町312 電話/FAX 0599-33-7428 URL https://amakadukime-jinja.com/ |
熨斗あわび保存会
神宮の三節祭(10月の神嘗祭、6月、12月の月次祭)のため、大身取鰒(おおみとりあわび)・小身取鰒(こみとりあわび)・玉貫鰒(たまぬきあわび)・乾鰒(ほしあわび)・乾栄螺(ほしさざえ)を国崎にある、伊勢神宮御料鰒調製所で調整します。伝統的な技法を受け継いだ長老たちによって粛々と続けられ、県指定無形民俗文化財に指定されています。
また、日ごろ贈答品の印に使われる『熨斗(のし)』は熨斗鰒を起源としています。
熨斗鰒は戦国時代に出陣式の膳に供され、縁起良いもの上流階級の武家の間で慶事の贈答品として用いられ、次第に形式化されて、現在では祝儀袋などに使われています。
国崎町内会 住所 三重県鳥羽市国崎町312 電話/FAX 0599-33-7428 URL http://www.kuzaki.net/index.html |