万葉集に謡われた謡を探してみよう
天平時代から、女性の夢を叶えてくれるという神社。
船泊まりを眺めながら、良き人を思い渡る「願い橋」と八幡神社につづく道
八幡神社
柿本人麻呂の歌に登場する女性にあやかり、古くから「願いを念じて渡ると叶う」といわれている赤い橋。
八幡神社は島の海女たちが漁場への行き帰りに、船上から安全と幸運を祈願する場所。聖木である「やまとたちばな」など、島の風物の香りを楽しみながら、万葉の時代に思いを馳せてみてください!
柿本人麻呂 (かきのもとのひとまろ)
6 世紀中頃から7 世紀前の人物と推測されていますが、生没年不明。三十六歌仙の一人に上げられます。
釧着く答志(手節)の崎に今日もかも大宮人の玉藻刈るらむ
持統6年(692)の伊勢行幸に参加しなかった柿本人麻呂が、天皇の行幸先を空想しながら、鳥羽の港から、答志島とその東海の岬から伊良湖崎へと、順次船が沖合に向けて移動してゆくにつれて展開する風物を詠んでいます。
やまとたちばな
古来より日本において大切にされてきた聖木で、沖縄のシークァーサーと並ぶ日本原産のミカン科の植物です。
『日本書紀』や『古事記』、『万葉集』では、「非時香果( ときじくのかぐのこのみ)」(永遠に香っている果実) と表現されています。
5月初旬に白い花をつけ、11月から12月に黄金色の実をつけます。国内に自生するやまとたちばなは希少で、答志島桃取地区には三重県天然記念物に指定された古木があります。11月25日は「やまとたちばなの日」とされ、鳥羽市の「市の木」にも選定されています。